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1.
怠惰 02:25
2.
妄語 02:44
3.
両舌 03:37
4.
邪推 04:31
5.
綺語 04:49
6.
邪婬 04:06
7.
偸盗 03:33
8.
瞋恚 02:52
9.
殺生 03:15
10.
徒花 03:24
11.
降りしきる雨 風は冷たく心と体を冷やす 朱雀大路にある門の下に四人 地震 辻風 火事 飢饉と災いは続き 洛中は寂れ 狐狸(コリ)や盗賊が住み着き 鴉が鳴きながら鴟尾(シビ)の周りを飛び死肉を啄む いまや羅生門は死人の終着駅 大きな円柱 キリギリスが一匹 雨宿りに来た下人 「退屈はもうたくさんだ」 そこにいたのは杣売りと坊主 下人は顔を拭きながら二人に近づく 「どうした?いったい何がわからねえんだ?」なんとも恐ろしい話を聞いた後だと言う 杣売りのため息 坊主の憂い 恐ろしいこの不思議な話 検非違使(ケンビイシ)の庭での話 二人は羅生門の下 下人に話し出す どうやら雨はまだ止むつもりはないようだ 杣売りは話し出す 今日から三日前だ ワシは山に薪(タキギ)を切りに行ったんだ 鉞(マサカリ)を担ぎ野山を奥へ奥へと進む 黙々と 山はいつものように静かなものだった 木の枝 市女笠(イチメガサ) 踏まれた侍烏帽子 山は静か それらを見つけるまでは 嫌な予感とゆっくりと進んでく山道 こいつはどうやら 杣売りは異変に気付いてく 緊張が走る 赤字織の守り袋(マモリブクロ)が道に光る そして遂に見つけてしまう 冷たくなった何かの傍 断ち切られた縄 やはりな 思った通りだ 男の死骸だ 「あの死骸を最初に見つけたのは私です」「太刀か何か見えなかったか?」「いいえ見てません」 杣売りは検非違使(ケンビイシ)の庭で確かにこう答えた その姿は正直者そのものだった 坊主は話し出す 死骸の男には確かに会いました そう それは三日前の昼下がりのことです 男と女と山道ですれ違ったのです それは関山(セキヤマ)から山科(ヤマシナ)への途中  女は馬に乗り牟子(ムシ)を垂れていました ですのでその女の顔まではわかりません 男は女を乗せた馬を引き歩いていました 弓矢と太刀を携えておりました 放免は話し出す こいつが私が絡め取った男です 桂の河原で苦しんでいたところを捕えたのです 黒塗りの箙(エビラ) 鷹の羽の征矢(ソヤ)が十七 皮を巻いた弓 それから芦毛(アシゲ)の馬 これらはみな全て殺された男のものだ 「馬からは落ちでもしたんだろう?お前は?」 紺の水干(スイカン) 高麗(コマ)の剣 男の名は多襄丸 洛中洛外に噂の高い盗賊 多襄丸は話し出す 「馬から落ちた?この俺様が?あの日俺様はひどく喉が渇いてたんだ それで逢坂を越える辺りで岩清水を飲んだ 多分 川の上流には毒蛇か何か すると目も眩むような急な腹いたに悩まされたんだ いかな俺様でも我慢ができなくなったのだ そしてついに俺様は馬から降りて たまらず桂の河原に屈み込んだってわけだ」 「どうせこの首 一度はかかる 樗(オウチ)の梢(コズエ) いまさら卑怯な隠し立てはせん 確かにあの男を殺したのはこの多襄丸だ 俺様がこの手で確かに殺してやったんだ あの夫婦を見たのは三日前 それはとてつもなく恐ろしく暑い午後だ  あ〜そうだあの風だ 思い出した あの時青葉を鳴らす清涼な風さえ吹かなければ」 山科の駅路 俺は道端で寝そべってた するとどうだ例のあの夫婦が通った  一瞬のことだ 青葉を鳴らして風が吹いた ちらりと見えた 瞬間だ もう見えなくなった 俺にはその女の顔が如菩薩に見えた 俺は決心した その男を殺してでも奪ってやろうとな 俺はそいつらに近づいた 言葉巧みに 「男を殺さずに奪えれば不足は無いがな」 多襄丸は笑う 男を藪の向こうへ行かせる 松の木の根方 「向こうだ」 男を騙す 男を背後から襲い縄で縛ってしまう 俺はあの夫婦を引き離すことに成功した 女を見つけて俺は蝮に噛まれたと言ってやる 夫を心配する青ざめた女の顔 俺様はその顔を見て男が嫉ましくなったんだ 「さぁてこの夫婦をどうしてやろうか?」 短刀を振り回す 気性の激しい女だった 女は嘆く 多襄丸はうすら笑う 逃げ惑う女 追い回す多襄丸 その様子を 見ることしかできない縛られた男 抵抗も虚しくついに女は多襄丸を受け入れた 男の命は取らず女を手にした 「私はいっそ生き残った方に連れ添いたい」 続けて女は言う「あなたが死ぬか夫が死ぬか」 多襄丸は男の縄を切る 太刀打ちが始まる 男と多襄丸は斬り結ぶ 決着は23合目 「あの男の剣の腕は確かに本物だ この多襄丸と20合以上も切り結ぶなんてな 男の太刀は都で酒に換えた 短刀?女の短刀なんかこれっぽっちも知らん そういえばいい短刀だったな 惜しいことをしたな この多襄丸 一世一代の不覚だ ハハッ」 本当のことが言えねぇのが人間だ 岩に沁み入りそうな声で坊主は言う  なんとそのあと女は検非違使にきた しかし多襄丸と全く話が違うのだ 多襄丸の言う気性の激しい女 しかしそこにいるのは 哀れなほど優しい風情の女 女は話し出した「殺してください」「ひと思いに私を」夫の表情に私は後ずさりました 「そんな目で見るのはやめて」と叫びました そして私は気を失ってしまったのです 私は気が付き辺りを見回す 事切れた夫の胸の上 私の短刀が冷たく光る 再び我に帰る 池のほとりに立ちその身を投げる 死にきれない「いったい私はどうすれば?」 その死んだ男を巫女に降ろそう ここからは死んだ男の話を聞こう 男は巫女の体を借りて話し出した「俺はいま闇の中にいる 苦患(クゲン)の闇にいる」 盗人は妻を慰めてた 妻は膝に目をやり心ここに在らずだった それを見つめる私 盗人の甘い言葉に妻はうっとりと顔をもたげた 俺は思った その時の妻の顔「なんと なんと美しいことか」 妻は言う「どこへでも連れてってください」 続けて俺は聞く「あの人を殺してください」 その女の言葉には戦慄が走った 盗人でさえ色を失ったのだ 戻ってきた多襄丸は夫に問う「おいこの女をどうするつもりだ?」 その時夫はこう思った その言葉だけでも盗人の罪は許してもいいと それからどのくらい時間は経ったのだろう 山は静かに事を見つめてた 誰かの鳴き声の向こう 手にする短刀 俺は自分の胸にその短刀を突き立てた *雨は羅生門を包む 生きるとは何か それともナニカ 業の仕業 *雨は羅生門を揺らす 命の儚さ それともアレか 業の仕業 自害した男の死体に忍び寄る影 男の胸に刺さった光り物 売ればいい金になりそうな代物 忍び寄った影がその短刀を静かに引き抜いたんだ 杣売りは叫ぶ 「嘘だ嘘だそんなのは嘘だ!あの男は多襄丸に太刀で刺されたのだ」 ナニカを悟ったかのように下人は囁く「オメェの話が一番面白そうだ」 「わしは山で市女笠を見つけたんだ」杣売りは唐突に話し出した 下人は言葉を返す「いやそりゃさっきおめぇから聞いたぜ」 「わしは関わりあいたくなかったのだ」下人は言う「話を続けろ」 「わしは女の泣き声を聞いた 縛られた男 泣いてる女 多襄丸が見えた」 「待て待て するとおめぇの言ってた 男の死骸のくだりは作り話なのか?」 多襄丸は女に謝ってたんだ そして女を口説きだしたんだ 「俺の妻になってくれ」「俺の妻になると言え」 女は答える「無理です」 女は夫に駆け寄る 男の縄を切る 夫は妻に自害を求める その場を去ろうとする多襄丸 泣き崩れる女 高笑いとともに女は豹変した 女には密かな企てがあった 女は言葉巧みに男たちをけしかけた 太刀打ちが始まる 転げまわる2人 おいおいとうてい太刀打ちとは思えぬ動き 多襄丸から聞いた話 23合目とはお門違い この世の地獄に咲いたコメディ 多襄丸は恐る恐る男を刺した 女はいそいそとその場から走って逃げた 多襄丸も男の刀を拾って その場から逃げ出したんだ 「ははは こいつはどうやら本当らしいな」 *雨は羅生門を包む 生きるとは何か それともナニカ 業の仕業 *雨は羅生門を揺らす 命の儚さ それともアレか 業の仕業 どこからか赤子の声が響く 最初の話 朱雀大路にある門の下に四人 赤子を包む着物を盗もうとする下人 杣売りが問い詰める「お前は鬼か」 下人は答える「捨てた親こそ鬼じゃねえか」杣売りは叫ぶ「手前勝手な世の中だ」 「誰もかれもテメェのことばかりだ」下人は杣売りに詰め寄る 「そういうてめぇはどうなんだ?」「あの短刀はどうしたんだ?」 「てめぇが盗まねぇで誰が盗んだってんだ?」杣売りは何も返せない そら見たことか とばかりに下人は着物を持って羅生門を出た 降りしきる雨が止む 赤子を抱く坊主に杣売りは問う「その赤子を育てさせてくれ」 杣売りは赤子を抱いて羅生門を出た その笑顔は晴れやか「どうやら人を信じて行けそうだ」 *雨は羅生門を包む 生きるとは何か それともナニカ 業の仕業 *雨は羅生門を揺らす 命の儚さ それともアレか 業の仕業
12.
12:28

about

【惡】

01.怠惰
02.妄語
03.両舌
04.邪推
05.綺語
06.邪淫
07.偸盗
08.瞋恚
09.殺生
10.徒花
11.羅生門 feat. 神武
12.惡

全12曲

credits

released August 1, 2023

Subscription
artists.landr.com/aku

ALL Beats Lyrics Mixed Mastered & Artwork by JINMU BLACKNOTE

(P)+© BLACK WAVE ALL RIGHTS RESERVED

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